災害時の避難というと避難所へ移動するイメージが強いですが、自宅や周辺が安全で、避難情報などから移動の必要がない場合は、自宅で安全を確保しながら過ごす「在宅避難」も選択肢になります。ペットにとっては慣れた環境で過ごせる一方、停電・断水・物流停止などに備えて、平常時から準備しておくことが重要です。
ただし、自宅に倒壊・火災・浸水・土砂災害などの危険がある場合や、自治体から避難の呼びかけが出ている場合は、安全確保を最優先してください。
ペットとの在宅避難とは?
ペットとの在宅避難は、災害後も自宅の安全が保たれている場合に、犬や猫と自宅で生活を続ける方法です。避難所は多くの人が集まり、ペットと同じ空間で生活できるとは限りません。環境省も、日頃から避難所や避難ルートを確認し、ペット用の水・食料・常備薬などを準備しておくことを案内しています。
在宅避難のメリットは、ペットが普段と近い環境で過ごせることです。一方で、電気・水道・ガスが止まった場合でも生活を維持できる備えが必要になります。
在宅避難できるか判断する5つのポイント
1. 自宅に倒壊や火災の危険がないか
大きな地震の後は、建物の損傷や家具の転倒、火災などを確認します。安全性に不安がある場合は、そのまま自宅にとどまらないでください。
2. 浸水・土砂災害などの危険区域ではないか
台風や豪雨では、建物自体が無事でも周辺の河川氾濫や土砂災害によって危険が高まることがあります。自治体のハザードマップや最新の避難情報を確認しましょう。
3. ペットの健康を維持できるか
持病のある子、療法食が必要な子、シニア犬・シニア猫は、薬や食事、室温管理が途切れると負担が大きくなります。停電や断水が長期化した場合まで考えて判断します。
4. 水・フード・トイレ用品が十分にあるか
大阪市はペット用の備蓄として、フードを「少なくとも5日分、できれば7日分」準備するよう案内しています。水、療法食、薬、ペットシーツ、猫砂なども合わせて備えておきましょう。
5. 停電しても暑さ・寒さに対応できるか
特に夏の停電は注意が必要です。エアコンが使えない状態で室温が上がると、犬や猫の体調に影響する可能性があります。冬も、子犬・子猫、高齢のペット、持病のあるペットは冷えへの配慮が必要です。
在宅避難で備えておきたいペット用品

- フード・療法食
- 飲料水
- 常用薬・予防薬
- 食器・折りたたみボウル
- ペットシーツ、猫砂、排泄物処理用品
- キャリー・ケージ
- リード・予備の首輪やハーネス
- タオル、ウェットティッシュ、ビニール袋
- 迷子札・マイクロチップ情報
- 飼い主とペットの写真、健康情報
持ち出し用だけでなく、在宅避難用の備蓄を別に用意しておくと、避難時に全てを持ち運ぶ必要がなくなります。
停電対策は「何を動かしたいか」から考える
在宅避難では、電気が止まったときに何を優先するかを決めておくことが大切です。スマートフォンの充電だけならモバイルバッテリーでも対応できますが、扇風機、照明、見守り機器、冷蔵庫、エアコンなどを使いたい場合は必要な電力量が大きく異なります。

ポータブル電源や家庭用蓄電池を検討する場合は、単純な容量だけでなく、使用したい家電の消費電力、停電を想定する時間、太陽光発電との組み合わせなどを確認しましょう。
在宅避難だけに決め打ちしないことが大切
災害の種類や被害状況によっては、自宅から移動しなければならなくなる可能性があります。「在宅避難する」と決めた家庭でも、避難先の候補は平常時から確認しておきましょう。
ペット避難ナビでは、全国の避難所データから近くの避難先を検索し、ペット同行条件を確認できます。第1候補だけでなく、第2・第3候補まで決めておくと、災害時の判断がしやすくなります。
まとめ
ペットとの在宅避難は、慣れた自宅で過ごせるメリットがありますが、自宅と周辺が安全であることが前提です。フードや水、薬、衛生用品に加えて、停電時の温度管理や通信手段まで含めて準備しましょう。
そして、在宅避難が続けられなくなった場合に備えて、ペットと移動できる避難先も事前に確認しておくことが重要です。
参考:
環境省「ペットの災害対策」
環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」
大阪市「ペットのための防災対策」

