台風が近づくと、愛犬の飼い主さんは必ず悩みます。「こんな天気でも散歩に行くべき?」「うちの子はトイレのために外に出たがるけど、危なくないかな…」。特に「絶対に外でしかトイレをしない!」という固執のある犬を飼っている方にとって、台風の日の過ごし方は切実な問題です。
毎日の散歩は愛犬の身体的・精神的健康にとって大切な習慣ですが、台風などの悪天候時には飼い主さんと犬の両方の安全が第一優先です。この記事では、台風の日の犬の散歩について考えるべきポイントや、やむを得ず外出する場合の注意点、そして室内での効果的な過ごし方までを詳しく解説します。
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1. 台風の日、犬の散歩は行くべきか?
まず結論からお伝えすると、台風が直撃している最中や暴風警報、大雨警報が出ているような状況では、原則として犬の散歩は控えるべきです。どれだけ元気な犬であっても、台風の強風や豪雨の中での散歩は犬と飼い主の両方にとって危険が大きすぎます。
散歩の必要性は犬種や個体によって異なる
犬の散歩の必要性は、犬種やその子の性格、年齢、健康状態によって大きく異なります。
特に運動量が多く必要な犬種:
- ボーダーコリー
- ラブラドールレトリバー
- ジャックラッセルテリア
- シベリアンハスキー
比較的運動量が少なくても平気な犬種:
- フレンチブルドッグ
- パグ
- シーズー
- チワワ
しかし、同じ犬種でも個体差があります。普段から活発で散歩を強く要求する犬は、台風の日に急に散歩に行けなくなると、ストレスを感じやすくなります。反対に、あまり散歩に執着がない犬であれば、1日や2日程度の散歩をスキップしても大きな問題にはならないでしょう。
なぜ柴犬は特に散歩にこだわるのか?
多くの飼い主さんが感じているように、柴犬は特に散歩へのこだわりが強い傾向があります。SNSでも「雨の日でも散歩を要求する柴犬」の投稿をよく見かけます。これには理由があります。
柴犬は古来から狩猟犬として活躍してきた犬種で、本能的に縄張り意識が強く、自分のテリトリーを確認する習性があります。そのため、どんな悪天候でも散歩に行きたがる傾向があるのです。また、元来の丈夫な体質と防寒性に優れた被毛のおかげで、雨や風に比較的強いことも理由の一つと考えられます。

台風?関係ないワン!今日も散歩に行くぞ!
天候状況の判断基準
散歩に行くかどうかの判断は、以下のような気象情報を確認して判断しましょう:
- 警報の有無:暴風警報・大雨警報・洪水警報などが出ている場合は外出を控える
- 風速:10m/s以上の強風時は危険
- 雨量:1時間に20mm以上の強い雨の場合は避ける
- 雷の有無:雷鳴が聞こえる場合は絶対に外出しない
- 台風の位置:台風の中心が近づいている、または通過中の場合は控える
天気予報アプリなどで「今後数時間の予測」をチェックし、比較的穏やかな時間帯を見つけることも大切です。台風の場合、完全に通過するまで待つのが最も安全な選択肢です。
2. 台風時に散歩に行くリスク
台風や強風の中で犬の散歩をすることには、多くのリスクが伴います。飼い主さんと愛犬の安全のために、どのようなリスクがあるのかをしっかり理解しておきましょう。
飛来物による怪我のリスク
- 看板や植木鉢などの落下物
- 風で飛ばされた傘や枝
- 屋根や外壁の破片
台風や強風時には、普段は安全に固定されているものでも飛散する危険があります。特に犬は人間よりも背が低いため、視界に入らない飛来物に当たるリスクがあります。また、飛来物は犬だけでなく飼い主さんにも危険です。頭部に当たれば重大な怪我につながる可能性もあります。
強風による転倒や飛ばされる危険性
小型犬は強風で体が浮き上がったり、転倒したりする危険があります。体重5kg以下の小型犬は、風速10m/s程度の風でも安定して歩くことが難しくなります。
また、中型犬や大型犬でも強風で体勢を崩し、リードを引っ張ることで飼い主さんごと転倒する可能性もあります。特に恐怖を感じた犬は予測不能な行動をとることがあるため、通常の散歩より制御が難しくなります。
豪雨による水害や視界不良
台風時の危険な状況:
- 道路の冠水:足首程度の水深でも流される危険がある
- マンホールの蓋が外れている可能性がある
- 水たまりに隠れた危険物(ガラス片など)を踏む危険
- 視界不良による交通事故のリスク増加
豪雨時は視界が悪くなり、普段なら簡単に認識できる危険も見落としやすくなります。車のドライバーから犬や飼い主が見えにくくなることも重大な危険です。
肉球の損傷や体調不良のリスク
長時間雨に濡れた状態で歩くと、犬の肉球がふやけて傷つきやすくなります。アスファルトや砂利の上を歩くと、普段なら問題ない道でも肉球を傷める可能性が高まります。
また、全身が濡れた状態が続くと低体温症のリスクもあります。特に小型犬や短毛種、高齢犬、子犬は体温が下がりやすいため注意が必要です。冷たい雨に濡れると、風邪をひいたり免疫力が下がったりする可能性も高まります。
3. どうしても散歩が必要な場合の対策
やむを得ず台風や強風の中で愛犬を散歩させる必要がある場合は、以下のような対策をとることで少しでもリスクを減らすことができます。
適切なタイミングと場所の選択
台風時の散歩タイミング選びのコツ
台風の中心が最も離れている時間帯や、一時的に雨や風が弱まるタイミングを見計らいましょう。気象レーダーアプリなどで雨雲の動きをチェックし、小休止のタイミングを狙います。
場所選びも重要です。以下のような場所を選ぶと良いでしょう:
- 建物の軒下や屋根付きの通路
- 高い建物で風が遮られる場所
- 駐車場など障害物が少なく視界の良い場所
- マンションの共用部や駐車場(管理規約で許可されている場合)
反対に、以下の場所は避けた方が安全です:
- 川や用水路の近く
- 傾斜のある場所(土砂崩れのリスク)
- 工事現場の近く(資材が飛散する危険)
- 大きな木の下(枝が折れて落ちてくる危険)
犬用レインコートなどの装備
愛犬と飼い主の両方が適切な装備をすることで、悪天候による影響を最小限に抑えることができます。
犬用の装備:
- 体にフィットするレインコート:全身を覆うタイプが理想
- 防水ブーツ:肉球保護と汚れ防止に効果的
- 短めで丈夫なリード:伸縮リードは危険なので避ける
- 反射材付きハーネス:視界不良時でも目立ちやすい
飼い主用の装備:
- 両手が使えるレインウェア
- 防水性の高いシューズ
- LEDライトや反射材
- 携帯タオル:愛犬の体を拭くため
短時間で効率的な散歩のコツ
台風時の散歩は、通常の散歩とは目的が異なります。排泄のために必要最小限の時間で済ませるよう心がけましょう。以下のポイントを意識すると良いでしょう:
- 普段のトイレスポットに直行する
- 5〜10分程度の短時間で切り上げる
- 遊びは省略し、排泄に集中させる
- いつもの声かけで排泄を促す
犬によっては緊張して排泄できない場合もあります。あまり長時間無理に外にいると、お互いのストレスが増すばかりです。排泄が済んだらすみやかに帰宅するようにしましょう。
散歩後のケア方法
- 全身を乾いたタオルでよく拭く
- 肉球の間に挟まった小石や破片を取り除く
- 耳の中に水が入っていないか確認する
- 必要に応じてドライヤーで乾かす(苦手な犬は無理にしない)
- 温かい場所で休ませる
特に肉球のケアは重要です。濡れて柔らかくなった肉球は傷つきやすく、小さな傷から細菌感染を起こす可能性もあります。散歩後は必ず肉球を念入りにチェックし、清潔にしておきましょう。
4. 室内でできる代替運動
台風の日は、思い切って散歩を諦め、室内で愛犬のエネルギーを発散させる方法を考えるのが最善です。適切な室内活動を提供することで、散歩がなくても愛犬のストレスを軽減できます。
室内遊びのアイデア
室内でも、愛犬の運動量を確保するための遊びはたくさんあります。犬のサイズやエネルギーレベルに合わせて選びましょう。
ボール遊び:
マンションなど階下への騒音が気になる場合は、柔らかいぬいぐるみや布製のボールを使うと良いでしょう。廊下や長い通路があれば、そこでボール投げをするのも効果的です。
引っ張りっこ:
丈夫なロープのおもちゃを使った引っ張りっこは、短時間で効率的にエネルギーを発散できます。特に中型犬以上の活発な犬種にはおすすめです。
トレーニングタイム:
「待て」「伏せ」「タッチ」など基本的なコマンドの復習や、新しい芸を教えるのもよい運動になります。精神的な刺激も与えられるので一石二鳥です。
知育トイの活用法
知育トイ(パズルトイ)は、犬の知的好奇心を刺激しながら、エネルギーを使わせることができる優れたツールです。
おすすめの知育トイ:
- トリートボール:中におやつを入れて転がすと出てくるタイプ
- パズルマット:布の下に隠したおやつを探すタイプ
- フードディスペンサー:工夫しないとフードが出てこないタイプ
- ノーズワークキット:嗅覚を使っておやつを探すタイプ
手作り知育トイの作り方
空のペットボトルにドッグフードを少量入れたり、マフィンカップにおやつを隠したり、タオルを丸めてその中におやつを包んだりと、家にあるもので簡単に作れる知育トイもあります。ただし、犬が誤って素材を飲み込まないよう、必ず監視の下で遊ばせましょう。
室内トレーニング方法
室内でも体力と筋力を維持するためのトレーニングは可能です。
階段の上り下り:
階段がある家庭では、階段を使った運動が効果的です。ただし、関節に負担がかかるので、子犬や高齢犬、関節に問題のある犬には向きません。
ターゲットスティック:
棒の先に犬のおもちゃをつけて、部屋の中を動き回らせる方法です。犬はスティックを追いかけて体を動かします。
本の山や座布団を低く積み重ねて小さなハードルを作り、その上を飛び越えさせます。
ドライフードを1粒ずつ投げて、犬に空中キャッチさせます。反射神経を鍛える良い運動になります。
犬のおやつを持って家の中に隠れ、犬に探させます。嗅覚と頭を使う良いトレーニングです。
5. 外でしかトイレができない犬への対応
外でしかトイレができない犬は、台風時に特に大きな問題となります。しかし、適切な対応と事前の準備で、この問題も解決できる可能性があります。
室内トイレへの慣らし方
理想的には、台風シーズンの前から少しずつ室内トイレに慣らしておくと安心です。以下のステップで進めると成功率が高まります。
- 普段の散歩コースの匂いを集める:愛犬がよく排泄する場所の土や草を少量集め、室内トイレに置く
- 室内トイレの位置を固定する:玄関近くなど、「外に近い場所」に設置する
- 少しずつ慣らす:最初は外でのトイレと併用し、室内トイレでできたら大げさに褒める
- コマンドを一貫させる:外でのトイレと同じ声かけをする



急に室内トイレを設置されても、何に使うものか理解できない犬が多いです。少しずつ慣らしていきましょう。
一時的な対応策
台風が突然来て準備が間に合わなかった場合は、以下の一時的な対応策も検討してみましょう。
ベランダの活用:
マンションなどでベランダが屋根付きの場合、一時的なトイレスペースとして活用できることがあります。ペットシーツを敷くか、人工芝を置いて土の感覚に近づけるのも効果的です。
段ボールトイレの作成:
大きめの段ボール箱の底にビニール袋を敷き、その上にペットシーツを重ねたものも緊急時のトイレとして使えます。壁があることで犬が区切られた空間と認識しやすくなります。
匂いの活用:
愛犬が外でトイレをした後のペットシーツや、排泄物の匂いがついた砂や土を少量持ち帰り、室内トイレに置くと、そこがトイレだと認識しやすくなります。
緊急時のトイレ環境の作り方
どうしても室内トイレを受け入れない犬の場合、最小限のリスクで外に出る方法を検討します。
屋根付き駐車場の活用:
アパートやマンションの屋根付き駐車場は、雨風をしのげる場所としてトイレに適しています。ただし、管理規約で禁止されていないか確認が必要です。
共用部の活用:
マンションのエントランスや廊下など、建物内の共用部をトイレとして利用することは通常望ましくありませんが、緊急時には選択肢となることも。必ず後始末をしっかりと行い、他の住民に迷惑をかけないよう配慮しましょう。
- 常に排泄物を拾うための袋を携帯する
- 消臭スプレーも用意しておく
- 排泄後は必ず清掃する
ポータブルトイレシート:
防水シートと吸水性のあるペットシートを組み合わせた携帯用トイレセットも市販されています。コンパクトに折りたためるタイプなら、玄関先や廊下などの限られたスペースでも使えます。
6. 台風シーズンに備えるペット防災対策
台風は毎年やってくるものです。愛犬のために日頃から防災対策をしておくことで、いざというときの安全を確保できます。
備えておくべき必需品リスト
- ドッグフード(最低5日分)
- 飲料水(犬用に1日500ml×5日分)
- 常備薬(持病がある場合)
- ペットシーツ(多めに)
- リード・予備のハーネス
- ペット用タオル(複数枚)
- 犬用ウェットティッシュ
- ポータブルトイレセット
- 携帯用食器
- ペット用救急セット
ドッグフードについて:普段食べているものを用意するのがベスト。急に新しいフードに変えると、消化不良を起こす可能性があります。
避難時の持ち出しリスト
台風の影響で避難することになったときのために、すぐに持ち出せるものをリストアップしておきましょう。
必須アイテム:
- 犬の身分証明書(鑑札、狂犬病予防接種証明書)
- 飼い主の連絡先を記載したタグ
- ケージまたはキャリー
- 愛犬の写真(万一はぐれたときのために)
- 馴染みのおもちゃやブランケット(精神的安定のため)
愛犬の写真は、万一はぐれたときに探す際に非常に重要です。スマートフォンの写真だけでなく、印刷した写真も用意しておくと安心です。また、マイクロチップの装着も検討しましょう。
愛犬と一緒に安心して避難するための準備
ペット同伴可能な避難所は限られています。事前に以下のことを確認・準備しておきましょう。
- 地域のペット同伴可能な避難所をチェック
- ペットホテルなど一時預かり先のリストアップ
- 避難訓練でケージやキャリーに慣れさせる
- 基本的なしつけの強化(「待て」「伏せ」など)
- 避難所でのマナー
-
他の避難者に迷惑をかけないよう、鳴き声やにおいの管理、リードでの係留などのマナーを心がけましょう。
- 犬のストレス軽減
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見知らぬ環境や多くの人々に囲まれると、犬はストレスを感じます。タオルで周りを隠したケージなど、安心できる空間を作ってあげましょう。
Paws&Prepのペット用防災バッグがあれば安心
台風などの災害時にスムーズに対応するには、日頃からの準備が欠かせません。Paws&Prepのペット用防災バッグは、愛犬との避難生活に必要な備品をワンセットにした、飼い主さんの強い味方です。
- Paws&Prepの防災バッグには何が入っているの?
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2Lの長期保存水、折りたたみ式ペット用トイレ、ペットシーツ、消臭処理袋、水・エサ皿、ウェットティッシュ、犬猫用ドライタオル、ジッパー袋、ホイッスル&ライト(緊急用笛と懐中電灯)、防災アドバイスシートなど、災害時に必要な基本アイテムが揃っています。
- バッグのサイズや使い勝手は?
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取り回しのしやすい中型トートバッグで、サイズは縦約32cm×横約40cm×幅(マチ)約16cmです。普段使いもできるシンプルなデザインで、必要なものをスムーズに取り出せる設計になっています。
- Paws&Prepの特徴は?
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最大の特徴は、愛犬・愛猫の写真をバッグ表面に印刷できるオプションです。これにより、万一はぐれた場合でも発見・保護されやすくなります。また、専門家監修のもと、必要アイテムを厳選したセット内容も人気の理由です。
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防災バッグは「いざというとき」のために用意するものですが、Paws&Prepのバッグは普段使いもできるデザインなので、常に目につく場所に置いておけます。これにより、いざという時に「どこに片付けたっけ?」と慌てることもありません。
世界で一つだけのオリジナル防災バッグで、愛犬の安全を守りませんか?
まとめ|台風でも愛犬と安全に過ごすための対策
台風の時期に犬の散歩をどうするかは、多くの飼い主さんの悩みです。この記事の内容をまとめると:
- 台風直撃時や警報発令中は原則として散歩を控える
- やむを得ず外出する場合は、適切な装備と短時間で
- 室内では代替運動や知育トイでエネルギー発散を
- 外でしかトイレができない犬には段階的に室内トイレに慣らす工夫を
- 日頃から防災対策をしておくことで災害時も安心
愛犬の安全を第一に考え、状況に応じた適切な判断をすることが大切です。特に柴犬など散歩へのこだわりが強い犬種を飼っている方は、室内での過ごし方の工夫が重要になります。
台風は毎年やってくるものです。早めの準備と対策で、愛犬と一緒に安全に台風シーズンを乗り切りましょう。Paws&Prepのペット用防災バッグを活用すれば、いざというときの安心感が違います。愛犬との大切な時間を守るためにも、防災への意識を高めていきましょう。