犬が台風を怖がるときの対応｜台風の日の過ごし方や安全に過ごす準備を解説

台風シーズンになると、私たち人間だけでなく、大切な家族である愛犬のことも気になりますよね。激しい雨音や風の音、気圧の変化など、台風は犬にとっても大きなストレスとなる場合があります。愛犬が怯えたり、体調を崩したりすることもあるため、飼い主さんとして適切な対応が求められます。この記事では、台風が犬に与える影響や、台風時の散歩の注意点、室内での過ごし方、そして防災対策まで、飼い主さんが知っておくべき情報をご紹介します。

犬が台風を怖がる理由と見られる行動

多くの犬が台風を怖がりますが、その理由はいくつかあります。飼い主さんが理由を理解することで、愛犬への適切なケアができるようになります。

聴覚が敏感で風や雨の音に反応

犬の聴覚は人間よりもはるかに敏感です。人間の可聴域が約20Hz～20,000Hzであるのに対し、犬は約40Hz～60,000Hzと高周波数の音まで聞き取ることができます。そのため、台風の強風や激しい雨音、雷などは犬にとって非常に大きく恐ろしい音として感じられます。

普段は聞き慣れない音が急に大きくなることで、犬は不安を感じ、恐怖反応を示すようになります。特に雷の音は犬にとって非常に恐ろしいもので、雷恐怖症（雷恐怖）を持つ犬も少なくありません。

気圧の変化を敏感に感じ取る

犬は気圧の変化にも非常に敏感です。台風が近づくと急激に気圧が下がりますが、この変化を犬は体で感じ取ります。人間でも気圧の変化で頭痛や関節痛を感じる人がいるように、犬も気圧の変化によって身体的な不快感を覚えることがあります。

特に耳の構造上、気圧変化の影響を受けやすい犬種もいます。長い耳を持つビーグルやバセットハウンドなどは、耳の中の気圧調整がうまくいかずに不快感を感じることがあります。

本能的な危険察知能力

犬は野生時代から持つ本能として、危険を察知する能力に長けています。台風のような異常気象は、野生では命の危険を意味することもあるため、本能的に不安や警戒心を抱くのです。

また、犬は飼い主の様子からも情報を得ています。飼い主が台風に対して緊張や不安を示していると、犬もそれを感じ取って不安になることがあります。飼い主が落ち着いた態度でいることも重要です。

台風時に見られる犬の行動

台風に対して犬は様々な反応を示します。愛犬がどのような行動を取るのかを知っておくことで、適切なケアができるようになります。

• 震える・身を縮める：恐怖や不安から体を小さく丸めて震えることがあります
• 落ち着きがなくなる：部屋の中を行ったり来たりして落ち着かない様子を見せます
• 過剰な吠え：不安やストレスから普段より多く吠えることがあります
• 隠れる行動：ベッドの下やクローゼットなど狭い場所に隠れようとします
• 飼い主に寄り添う：不安から飼い主の側を離れなくなることがあります
• 興奮状態になる：普段より活発に動き回ったり、落ち着きがなくなったりします
• 過度の舐め行動：ストレスから自分の足や体を過剰に舐めることがあります
• 食欲減退：不安やストレスから食べ物に興味を示さなくなることがあります

これらの行動は犬が不安を感じている証拠です。重度の場合、パニック発作を起こして自傷行為に及んだり、逃げ出そうとしたりすることもあります。そのような状態が見られる場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

犬が台風で体調を崩しやすくなる理由

台風の接近や通過に伴い、犬が体調を崩すことがあります。これは単なる偶然ではなく、台風がもたらす様々な環境変化が犬の健康に影響を与えるためです。

気圧変化によるストレス

台風が近づくと急激に気圧が下がりますが、この変化は犬の体に様々な影響を与えます。特に内耳や副鼻腔など、空気を含む体の部位は気圧の変化の影響を受けやすく、不快感を引き起こすことがあります。

気圧の低下によって血管が拡張し、頭痛や関節痛を引き起こす場合もあります。また、気圧変化によるストレスが自律神経系に影響を与え、消化器系の不調を招くこともあります。

体調を崩しやすい犬の特徴

すべての犬が台風の影響を同じように受けるわけではありません。特に以下のような犬は体調を崩しやすい傾向があります。

1. 高齢犬：加齢により身体機能が低下し、環境変化への適応力が弱まっています
2. 慢性疾患を持つ犬：心臓病や呼吸器疾患などの持病がある犬は、気圧変化の影響を受けやすいです
3. 不安傾向の強い犬：普段から神経質な性格の犬は、ストレスによる体調不良が起きやすいです
4. 小型犬：体が小さい分、環境変化の影響を受けやすい傾向があります
5. 長い耳を持つ犬種：ビーグルやコッカースパニエルなど、耳の構造から気圧変化の影響を受けやすい犬種もいます

これらの特徴に当てはまる犬を飼っている場合は、台風時には特に注意深く様子を観察することが大切です。

台風による体調不良の症状

台風の影響で犬に現れる可能性のある体調不良の症状には、以下のようなものがあります。

これらの症状が見られる場合、台風通過後も症状が改善しない場合は獣医師に相談しましょう。特に高齢犬や持病のある犬は、症状が重篤化しやすいため早めの対応が必要です。

台風接近時の犬の散歩について

台風が近づいてくると、多くの飼い主さんが「散歩に行くべきか？」という疑問を持ちます。基本的には台風接近時の散歩は避けるべきですが、台風の状況や犬の状態によって判断が必要な場合もあります。

散歩に行くべきか判断基準

台風時の散歩は、基本的に控えるべきです。しかし、状況によっては短時間の外出が必要なケースもあります。以下の判断基準を参考にしてください。

散歩を中止すべき状況

• 暴風警報や大雨警報が発令されている
• 台風の暴風域や強風域に入っている
• 激しい雨や風が吹いている
• 雷が鳴っている
• 道路が冠水している
• 飛散物の危険がある

短時間の排泄のみ許容される状況

• 台風が接近中だが、まだ風雨が強くない
• 台風一過で風雨が完全に収まっている
• 室内トイレに慣れていない犬で、排泄が我慢できない状態

犬の安全と飼い主の安全が最優先です。少しでも危険を感じる状況では、無理に散歩に出かけるべきではありません。

やむを得ず外出する場合の注意点

どうしても外に出る必要がある場合は、以下の点に注意しましょう。

時間をできるだけ短くする

通常の散歩ではなく、排泄のみを目的とした短時間の外出にとどめましょう。散歩コースは自宅周辺の安全な場所に限定し、できるだけ早く帰宅することを心がけます。

雨風から犬を守る

犬用のレインコートを着せることで、体が濡れるのを防ぎます。体が小さい犬は特に体温が奪われやすいため、保温対策も重要です。また、犬の足裏を保護するために、犬用のブーツを使用することも検討しましょう。

危険な場所を避ける

冠水した道路、崖や斜面の近く、倒木の恐れがある場所、川や用水路の近くなど危険な場所には近づかないようにしましょう。また、建物の看板や屋根からの落下物にも注意が必要です。

リードをしっかり持つ

強風で犬が驚いて逃げ出す可能性があるため、リードはいつもより短めに持ち、しっかりと握りましょう。できれば予備のリードや、首輪とハーネスの二重装着など、万が一の対策も考えておくと安心です。

帰宅後のケア

帰宅したら、体や足をきれいに拭いて乾かしましょう。特に肉球の間に小石や異物が挟まっていないか、怪我をしていないかをチェックします。濡れた場合はしっかり乾かして、体温低下を防ぎます。

台風時の外出は、飼い主も犬も危険にさらされる可能性があることを忘れないでください。可能な限り室内で過ごす方法を検討しましょう。

室内でできる代替運動

散歩に行けない場合でも、犬のストレス発散や運動不足解消のために、室内でできる活動を取り入れましょう。

室内での活動は、台風時だけでなく、梅雨の時期や真夏の暑い日、冬の寒い日など、外出が難しい様々な状況で役立ちます。日頃から室内でも楽しめる遊びを取り入れておくと、突然の台風でも慌てずに対応できるでしょう。

台風時に犬が落ち着いて過ごせる環境づくり

台風の間、愛犬ができるだけリラックスして過ごせるよう、環境を整えることが大切です。適切な対応で犬のストレスを軽減し、安心して台風が過ぎ去るのを待てるようにしましょう。

安心できる空間の作り方

犬が安心して過ごせる「避難場所」を家の中に作りましょう。普段から慣れている場所がベストですが、以下のポイントを押さえて環境を整えることが大切です。

愛犬の安心スペース作りのポイント

• 窓から離れた場所を選ぶ：窓ガラスが割れる危険性を避け、外からの光や音の影響も軽減できます
• 普段から使っているベッドやクレートを置く：犬が普段から慣れている寝床があると安心します
• お気に入りのおもちゃやブランケットを用意：犬の匂いがついた馴染みのものがあることで、安心感が増します
• 飲み水を近くに置く：ストレスで喉が渇くことがあるため、いつでも水が飲めるようにしておきます
• 適度に暗くする：光の点滅（特に雷の光）が犬を怖がらせることがあるため、カーテンを閉めるなどして対策します

普段からクレートトレーニングをしている場合は、クレートを避難場所として活用するのも良い方法です。クレートの中に柔らかいクッションやブランケットを敷き、扉を開けておくことで、犬が自分の意思で出入りできる「安全基地」として機能します。

音対策の方法

台風の風雨や雷の音は、犬を怖がらせる大きな要因です。音の影響を軽減するための対策を講じましょう。

1. ホワイトノイズを活用する：扇風機やエアコン、空気清浄機などの一定の音は、外からの突発的な音をマスキングする効果があります
2. クラシック音楽やリラックス用の音楽をかける：犬用にアレンジされたリラックス音楽も市販されています
3. テレビやラジオをつける：普段から聞き慣れている音は安心感を与えます
4. 雨戸やシャッターを閉める：外からの音を物理的に遮断します
5. 防音カーテンの使用：通常のカーテンより音を遮断する効果が高い製品もあります
6. 犬用イヤーマフの装着：音に特に敏感な犬には専用のイヤーマフを使用する方法もあります

これらの対策は、日頃から雷や花火などの大きな音に怯える犬にも有効です。台風シーズン以外でも活用できる方法なので、愛犬の特性に合わせて取り入れてみてください。

飼い主の接し方

台風時の飼い主の対応も、犬の不安を軽減するために重要です。飼い主自身が冷静さを保ち、適切な対応をすることで、犬の不安を最小限に抑えられます。

飼い主が取るべき対応

• 普段通りの態度を心がける：過度に心配した様子や不安な表情を見せないようにしましょう
• 犬が怖がっていても過剰に慰めすぎない：過度な慰めが不安行動を強化してしまう場合があります
• 落ち着いている時に褒める：リラックスしている時や自分から落ち着ける場所を見つけた時には、優しく褒めてあげましょう
• 無理に行動を制限しない：犬が自分で落ち着ける場所を探す行動は制限せず、安全な範囲で自由にさせてあげましょう
• 普段やっているトレーニングを軽く行う：簡単なコマンドや芸の練習など、犬が集中できる活動を取り入れると気が紛れることがあります
• 一緒にいてあげる：完全に無視するのではなく、そばにいて安心感を与えましょう

犬の様子をよく観察し、個々の犬に合った対応を取ることが大切です。特に強い恐怖症状を示す場合は、獣医師に相談して適切なアドバイスを受けることも検討しましょう。

おすすめのグッズ

台風時に犬の不安を軽減するのに役立つグッズをご紹介します。状況や犬の特性に合わせて活用してみてください。

サンダーシャツ（圧迫服）

体を優しく圧迫することで、安心感を与えるベスト型の洋服です。母犬に抱かれているような感覚を再現し、不安を軽減する効果があります。特に雷や花火、台風などの音に敏感な犬におすすめです。

フェロモン製品

犬が安心できるフェロモンを人工的に合成した製品で、ディフューザータイプやスプレータイプがあります。部屋に拡散させることで、環境全体にリラックス効果をもたらします。効果には個体差がありますが、ストレスの軽減に役立つことがあります。

ノイズキャンセリング機能付きイヤーマフ

犬用の防音イヤーマフは、外部からの音を軽減する効果があります。全ての音を遮断するわけではありませんが、大きな音の衝撃を和らげることができます。使用に慣れるまで時間がかかる場合もあるので、普段から少しずつ装着に慣らしておくと良いでしょう。

おもちゃの詰め合わせ

コングなどの中におやつを詰められるおもちゃは、犬の気を紛らわせるのに効果的です。おやつを取り出すために時間をかけて集中することで、外の音への注意がそれます。冷凍したヨーグルトやペースト状のおやつを詰めると、より長時間楽しめます。

カームマット

犬がなめることで気持ちを落ち着かせることができるマットです。表面にはおやつを塗れるポケットやデコボコがあり、犬が舐める行為に集中することでリラックス効果が得られます。自分でリラックスする方法を学ぶきっかけにもなります。

犬用ベッドやブランケット

洗濯したてではなく、犬の匂いが染みついたブランケットやベッドは、安心感を与えます。特にドーム型のベッドやもぐり込めるタイプのベッドは、犬が身を隠す場所を提供し、安全感をもたらします。

これらのグッズは、急に揃えても効果がない場合もあります。普段から徐々に慣らしておき、台風シーズン前に試してみると良いでしょう。また、全ての犬に同じグッズが効果的とは限らないので、愛犬の反応を見ながら適したものを選ぶことが大切です。

台風に備えた犬の防災対策

台風は時に甚大な被害をもたらし、避難が必要になる場合もあります。愛犬と安全に避難するためには、日頃からの備えが欠かせません。いざという時に慌てないよう、必要な準備をしておきましょう。

準備しておくべきもの

台風に備えて、愛犬のための防災グッズを用意しておくことが重要です。以下は最低限準備しておきたいアイテムです。

犬の防災グッズリスト

• 食料と水：少なくとも5日分のドッグフードと飲料水
• 常備薬：普段から使っている薬や、処方薬がある場合はそのストック
• 食器：折りたたみ式の給水・給餌器
• リード・予備の首輪：丈夫なリードと、迷子札付きの首輪（予備）
• トイレ用品：ペットシーツ、ウンチ処理袋
• タオル・ウェットティッシュ：体を拭いたり、汚れを落としたりするため
• ケージやキャリー：避難所での管理や移動に必要
• 防寒・保温グッズ：毛布やタオルケット、保温シート
• 迷子札・身元証明：鑑札やマイクロチップの登録証、写真
• 愛犬の写真：万が一はぐれた場合の確認用（スマホだけでなく印刷したものも）
• 救急セット：包帯、消毒液、ピンセットなどの基本的な救急用品

これらのアイテムを、すぐに持ち出せるバッグにまとめておくと便利です。定期的に中身をチェックし、消費期限のあるものは新しいものと交換しましょう。

同行避難の準備

災害時には、愛犬と一緒に避難する「同行避難」が基本となります。スムーズに同行避難するためには、事前の準備と訓練が重要です。

同行避難の際には、周囲の人への配慮も大切です。愛犬のストレスを最小限に抑えつつ、他の避難者に迷惑をかけないよう心がけましょう。

避難所の情報収集

すべての避難所でペットの受け入れが可能とは限りません。事前に地域のペット同行避難に関する情報を収集しておくことが重要です。

避難所でのペットの扱いは自治体によって異なります。一般的には、避難所の居住スペースにペットを直接入れることはできず、別のスペースでの飼育になることが多いです。避難所のルールに従い、他の避難者への配慮を忘れないようにしましょう。

愛犬と安心して備える！Paws＆Prepの防災バッグ

台風などの災害に備えるためには、愛犬のための防災グッズをまとめて準備しておくことが重要です。しかし、何を準備すれば良いのか、どのようにまとめておけば良いのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

そんな時におすすめなのが、ペット専用の防災バッグです。特に「Paws＆Prep（ポーズアンドプレップ）」のペット用防災バッグは、犬や猫と暮らす飼い主さんのために開発された専用防災セットです。

Paws＆Prepの防災バッグには、犬と一緒に避難する際に必要な基本アイテムが10点セットになっています。折りたたみ式のペット用トイレやペットシーツ、水・エサ皿、ウェットティッシュなど、災害時に役立つアイテムが詰まっています。

特に注目すべき点は、バッグに愛犬の写真をプリントできるサービスです。これにより、バッグ自体が迷子札の役割も果たします。万が一、災害時に愛犬とはぐれてしまった場合でも、発見・保護してもらいやすくなるでしょう。

また、台風シーズンに限らず、日常的に使えるおしゃれなトートバッグデザインなので、「いざという時のために」と押し入れにしまいこんでしまうことなく、普段使いできる点も魅力です。

愛犬との「今」がずっと続くように、大切な時間を災害に奪われないように。そんな思いを込めて作られたPaws＆Prepの防災バッグで、台風に備えてみませんか？

＼ 「ウチの子」の写真がプリントできる！ ／